たつひとの合気道技法 基本技: 四教
基本技: 四教 よんきょう
Fundamental technique: Wrist pin,4th control,Control 4
四教は,別名手首抑えとも呼ばれています。正面打ち四教は,本部道場の参級の審査項目です。四教は,手首に近い前腕のツボなどを攻めていきます。ツボ攻めは,たつひとの合気道場では,柔術技に分類していますが,この柔術技に合気道の合気,合気三原則を使って,効率的に極めていきます。
『 体の常識,合気の非常識。合気の常識,体の非常識 』
Aikido using Aiki of Aikido
Do with Aiki of Aikido
<四教極めの極めの捌き>
四教の極めでは,表の極めと裏の極めで異なった方法をとります。 なお,一時期,裏の極めを表の極めと同じ方法で行った時期がありました。 四教の表の捌きでは,一教のように崩したものを,そのまま,四教伏せ極めをして極める方法と,一度,極めのために再度一度立ち上がらせて極める,立ち極めしてから,伏せ極めに移行する方法があります。
一度相手を立ち上がらせるのは,立っているときは,相手の腕は柔らかく,効果的にツボを見つけられるためです。一方,床に伏せた後では,受けの前腕は固くなっていてツボが見つけにくくなります。【T】
<ツボ攻めの方法>
・四教表は前腕内側の内関 ないかん のツボを攻めます。表は上から下へ切おろしの動きと連動します。
・四教裏は前腕の横の橈骨部 とうこつぶ に人差指の脇をあて,ゴリゴリとノコギリをイメージして,橈骨部に直角に指を動かし攻めます。裏は,後ろへ背転,弧を描く形になるため,橈骨部攻めになります。
・四教の応用技として,前腕外側の外関 がいかん のツボを攻める外四教落としがあります。
<表のツボ極めの手操作>
・ツボの位置を前腕の伸張力で,ツボを決めた後,受けの肘を斜め下方に前腕を差し動かしながら,相手の腕全体を操作するつもりで捌きます。伸張力の発揮は,肘の内側の角度が開くことで確認できます。
・四教表立ち極めで,自己の人差指の付け根のボールを垂直に上げ相手の体重をボールに載せようとすると,人差指の付け根のボールに「目」があるように,自動的に自己の人差指の付け根が内関のツボにはまり込みます。この方法は,豪州人のように腕の太い人にも有効です。
正面打ち四教 しょうめんうち よんきょう
<表> 技の動きの説明
正面打ちですので右相半身からのスタートです。
(捌き) 正面打ち四教の捌きは,正面打ち一教の捌きと途中まで同じ操作で,相手の体が床と平行になるところまで落とします。
(四教表 立ち極め) 受けの相手の前腕内側の内関のツボに人差指のつけ根のボールをあて,押し気味に相手を立たせます。立っているときは,相手の腕は柔らかく,効果的にツボにはまり込みます。次いで,自己の腕の手掌から人差指つけ根のボールの部分を垂直にあげ,この部分に受けの相手の全体重が乗るようにします。受けの全体体重がツボに乗るので,受けの相手の体に激痛走り,体を叩いたり,悲鳴を上げたら即,極めを緩めて,その後,人差指のつけ根の部分を先行させ,伸張力を使って床まで落としていきます。
(四教表 伏せ極め) 相手の前腕を外の手で下方から支えて,内の手で相手の脈部 みゃくぶ のツボに自己の人差指の付け根が当たるように当て,自己の体の重さを加えるように人差指の付け根に力を載せ前方に抑えます。
ポイント
<表のツボの立ち極めと落とし方>
立ち極めでは,垂直に伸張力を用いて伸ばした手の人差指の付け根のボールの上に,受けの相手の前腕のツボ,内関 ないかん を通じて相手の体重を載せます。相手の体重で,相手の内関のツボを攻めます。
→これは,合気三原則の利用です。通常合気三原則は自分の動作の原則ですが,相手の体重を,すべて取りの人差指の付け根のボールの上に載せる動作は「重力」の使用です。 【T】
(落とし方) 相手の体を,ツボを極めづつけ,先行させて落していきます。きちっと極めることができれば,受けの力はすでに抜けているので,高い位置からも,容易に相手を落とせます。【T】
<表の伏せ極めの手首の押さえ方>
立ち極めの時にツボを極め落した後の伏せ極めは,相手は激痛のため力を出せませんので,そのまま効かせて極めとなります。
伏せ極めでは,人によっては鍛練してツボ攻めが効かなくなってきますので,受けの二の腕 (上腕) が肩とまっすぐ並ぶように,肘を直角に保ったまま,前腕を下方45度の角度で,槍のように前方へ突きさします。これはツボ攻めではありませんが,丸太のような前腕でツボが隠れてしまっている人には効果的です。
受けの体と二の腕,上腕が作る四角い板を,上腕を固定して,板を持ち上げるて極めるイメージも極めとして有効です。荒技としては,二の腕に膝を載せます。極めは,脈部を攻めつつ,相手の肘を中心に手首を持ち上げます。【守央道主】
<伏せ極めの立ち位置>
①相手の脇で決める。前足を相手の脇に置き,体は相手につけて極める。相手の手首を極める手と同じ足が前足で,相手に脇に置く。
②相手の体を頭から,足まで見える位置で,相手の体に直角の位置で極めます。【鳥海先生】
<裏> 技の動きの説明
右相半身スタートです。
(捌き) 一教の裏と同じ操作で,相手を裏に巡り落としますが,落とす過程で,四教の裏の極めを相手の前腕橈骨部に施します。
(四教裏 立ち極め) 表と異なり,動きの中で極めを行いますが,動きを止めて,極めで相手が極まっていることを確認してからに背転,巡り落とす方法もあります。四教裏の立ち極めは前腕の横の橈骨部 とうこつぶ に人差指の脇をあて,ゴリゴリとノコギリをイメージして,指沿いに動かし,その後の動きは,この攻めている部分が最も先行して動くように操作します。
(四教裏 伏せ極め) ①相手の脇で決める。前足を相手の脇に置き,体は相手につけて極める。相手の手首を極める手と同じ足が前足で,相手に脇に置く。
②相手の体を頭から,足まで見える位置で極める。この時は,相手の脇から60度程度離れたところに取りは位置します。【鳥海先生】
ポイント
<裏の橈骨部の極めと落とし方>
・相手の腕を肘を直角にして,受けの手掌が取り側を向くように持つと前腕橈骨部 とうこつぶ が現れます。この部分には,肉がついておらず,骨と皮膚とが接している部分です。
・この前腕橈骨部を,ぎりぎり鋸のこぎりのように,人差指の脇を使いながら極めます。
・この部分を先行させ,裏にめぐりながら,結果的に螺旋状に落とします。
<裏の手首の押さえ方と操作>
・相手の橈骨部 とうこつぶ に対して,自己の人差指の付け根をあて,腰の回転力で回し抑えます。受けの両肩と二の腕がまっすぐになるようにし,肘を直角に保ったまま,前腕の内側の橈骨部を攻めながら回し極めます。
・受けの体と二の腕,上腕が作る四角い板に,受けの前腕橈骨部のところに穴をあけ,ここに指を入れて,回し極めるイメージです。
・きちっと極めることができれば,立ち極めの高い位置からも,急角度で相手を落とせます。【T】
以上,合気道の合気を用いての基本技四教の説明でした。
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高橋達人 tatsuaiki7@gmail.com



