ナンバ歩き Namba Walking
はじめに
ナンバ歩きの情報は,かなり限られていました。江戸時代の人々の歩き方という話が何となく伝わっています。「右手と右足,左手と左足をそれぞれ同時に出す歩き方」と言われていますが,試してみると左右の肩が振れる歩き方でかなりぎこちないです。映画でみる忍者の駆け方や着物をきた番頭さんの立ち振る舞いがそれに近いのでは想像するだけで,ナンバの意味もそもそもかわりませんでした。江戸時代の一般化していた歩き方が,明治維新とともに軍隊の歩き方を導入したことで,忘れ去られてしまった歩き方で,あまりに普通の歩き方なので,歩き方を記したものが残っていないのも当たり前のといえばそうなのですが何となくさみしく思います。現在のYoutubeなどの動画で記録を残すことはそれなりに貴重と思います。さて最近,そのYoutubeやネットに「ナンバ歩き」の話題が散見できるようになっているので,私なりにこのナンバ歩きを整理してみることとしました。
ナンバ歩きとは
ナンバ歩きのナンバとは,「難場 (ナンバ)」の字のごとく難ぎな場所での歩き方,今でも山道などの谷に面した狭い難ぎな道では手を振って歩けない,手を振らない歩き方を「ナンバ」歩きと言うそうです。多くの山歩きを題材にしたネットでは,体に負担がかからない歩き方として,ナンバ歩きを紹介しています。
ナンバ歩きは,武士とっては大小の日本刀を帯刀し,着物や帯も緩むことがない歩き方。山道などでの歩行,重量のある荷物を運ぶ時に体がぶれない歩き方で,ナンバ歩きが行われたとしています。
ナンバ歩きのビデオ
ナンバ歩きのポイント
・両肩,左右の腰は進行方向に正対する。
・足を出すとともに,同じ方の手掌で地を押さえる。
・前足を意識せず,後足を前に置くだけ,置くだけ。
・蹴らない。
・体をねじらない。
・歩幅は考えない。
高橋達人 tatsuaiki7@gmail.com